VALDROME
18世紀からの歴史を汲み、アルティザナルな手法を守りながら、現代に真のプロヴァンスプリントを作り続けているヴァルドローム社。 ソレイアード、レゾリヴァードに並ぶプロヴァンス三大老舗ブランドの一つです。

*ヴァルドロームの歴史
1946年からヴァルドローム社は今日まで続いてきた千年以上の伝統を誇る、オーセンティックなプロヴァンススタイルを創造し続けてきました。10世紀以上も前に、インドとペルシアのアルティザン(職人)たちが生地に文様を転写する技法を発明。まずは古典的な技法の1つである型版(ステンシル)に始まり、版木染めへと移行して行きました。

フランス語で「インディエンヌ」と呼ばれるインド更紗の製造法は、世界的な航海士であった貴族出身のジャン・ド・ヴァルドロームの目に留まり、フランスへ持ち込まれました。このジャン・ド・ヴァルドロームこそが、今日プロヴァンスで圧倒的な知名度を持ち、プロヴァンスのイメージの1つでもあるプリント生地やショール、スカーフなどの製法を学んだのです。

インド更紗からフランス的エッセンスが加わり、オリエンタルアートと南仏プロヴァンスで見られる素朴な田園風景の中に咲く、色彩豊かな花々がモチーフとなって混ざり合い、進化していったプロヴァンスプリント生地は、1740年頃に生まれました。

高品質なプリント技術で名高かったヴァランスの地に、1770年ヴァルドローム社の母体であり、前身となる La Manufacture de Valence(ラ・マニュファクチュールー・ドゥ・ヴァランス) がローヌ川沿いに設立されます。 「もっと知りたい!プロヴァンスプリント」のページでも触れていますが、これは、インド更紗の輸入とトワルパント(捺染綿布)の国内生産禁令が解かれた後の出来事です。
この豊かな遺産を引き継ぎ、戦後の1946年に「絹の道」のパイオニアの一人でもあったジャン・ド・ヴァルドローム氏の名を取り、ヴァルドローム社創立となります。

:: 当時のアトリエでの様子が伺える数々の写真 ::
ヴァルドローム
インディエンヌ
プロヴァンスプリント木版
ショール
*ヴァルドロームのこだわり
ヴァルドローム社は、今も活気あるインディエンヌの伝統を守りながら、ハイクオリティの高級素材-シルケット加工の純コットン、ウール、シルクのサージ、洗濯に強く耐えうる上質のレアクティフ染料-のみを厳選し、使用しています。茜の赤、藍のブルー、そして様々な植物の樹液から取れるイエローが、プロヴァンス生地のベースの色を成しています。

ヴァルドローム社は、昔から築きあげてきた地元とのコネクションを大切にし、拠点であるヴァランス周辺で資材の調達、人材を確保しています。
今では大半の企業では当たり前になってしまった、国外に生産拠点を移すことには反対の姿勢を貫いており、メイドインフランス、メイドインプロヴァンスにこだわっています。

過去コレクションにあったバスク地方のエスパドリーユは、フランスの職人によるものとしてバスク地方で、そしてリモージュ焼きのコレクションに関しては、フランスを代表する陶磁器メーカーで歴史ある窯のひとつ、リモージュ出身の Philippe Deshoulieres フィリップ・デズリエ社によりプロデュースされ、時にその商品の産地と提携し、厳格に選びぬいた人材と共に商品作りを行うこともあります。いずれも熟練した職人の手による手作り品。
それゆえに決して安価な価格ではありません。しかし、品質とものづくりの姿勢は、手に取っていただければ、お分かりいただけると思います。
*ヴァルドロームとの出会い
私がヴァルドローム社を知ったのは、まさか将来住むことになろうとは全く予想もしていなかったここニースに、日本から旅行者として訪れた時でした。
旧市街の入り口、オペラ近くに今もある、こじんまりとしたブティックに一歩足を踏み入れたと同時に、店の中央に飾られた鮮明なイエローの、ひと目で良質と分かるほど、きりりとした高貴な商品郡が目を引きました。非常にインパクトが強かったので、あの光景は今も忘れられません。

ランチョンマットにさえも商品の一つ一つに付けられている紋章の入った「sceau appendu」が高級感をさらに引き立てており、品質とコピーライトのマークからブランド品であることは想像が付きましたが、ヴァルドロームという名前はそれまで見たことも聞いたこともありませんでした。
もちろんソレイアード、レゾリヴァードは知っていましたが、2社のブランドにはない、何かを感じたのです。
その時にポロションというシリーズの筒型ショルダーバッグを購入しましたが、もう10年以上経つのに「これがレアクティフ生地の実力なのね!」と納得させられるほど、全く色褪せがなく、購入当時の色合いそのままです。

プロヴァンス好きが高じ、プロヴァンス雑貨店主となった今、ずっと掲げていた目標、そして夢は「いつかヴァルドローム社の商品を取り扱えるお店になる」ことでした。開店から8年。ようやくその夢が実現しました。

この興奮の高まりが、私をヴァランスにあるヴァルドロームの工房まで足を運ばせました。
さすがかつて質の高いプリント生地を生産する工場が連立していたという街だけあって、あちこちに小さなカナル(運河)が見られる水源豊富な場所でした。
私が工房を訪れたのは午後の遅い時間で、35時間労働法により既に大半の社員の方が退社された後・・・作業風景を目にすることはできなかったのですが、工房の隅々まで案内していただきました。年月の経過を感じる木の梁の渡った天井や、自然光がたっぷり降り注ぐ窓際。色彩豊かなプリント生地、糸、テープたちが心地良さそうに見える、とても趣のある工房でした。特別に1枚だけですが、工房の写真掲載の許可をいただきました。現工房の写真はおそらく初!のお披露目だと思います!

valdromeアトリエ風景
:: ヴァルドローム工房内の一部 ::

商品検索

キーワード検索

価格帯検索
円 ~